クボタCTB立川と神戸製鋼SH日和佐 photo by Kenji Demura
クボタCTB立川と神戸製鋼SH日和佐
photo by Kenji Demura

昨季トップリーグに続き王者狙う神戸製鋼か
初タイトル奪取に執念を燃やすクボタか

text by Kenji Demura

8月10日、トップリーグカップ2019の決勝トーナメントの決勝戦が大阪・東大阪市花園ラグビー場で行われる。
6月22日からトップリーグ所属15チームとトップチャレンジリーグ所属の8チームの計23チームを4組に分けたプール戦を5節にわたって戦い、サントリーサンゴリアス、東芝ブレイブルーパス、クボタスピアーズ、神戸製鋼コベルコスティーラーズの4チームが準決勝に進出。

8月4日に行われた準決勝で、それぞれ激戦をものにした神戸製鋼とクボタが共に初のカップ戦王者の座を目指して、決勝で相まみえることになった。

昨シーズンのトップリーグチャンピオンである神戸製鋼は準決勝でサントリーと対戦。
8ヶ月前のトップリーグ2018 – 2019 決勝戦のリベンジに燃えるサントリーに対して、前半16分のFB井関信介のトライを皮切りに、ハーフタイムまでに3トライを重ねて24—11とリード。

後半もSH日和佐篤-SOアンドリュー・エリスのハーフ団を中心にした落ち着いたゲームコントロールで、サントリーの追撃をかわして、32 – 26で勝利を納めた。

「春から、この大会のチャンピオンになるためにツライことをやってきた。チームとしても自分としても絶対に勝ちたい大会」

ゲームキャプテンを務めるSH日和佐がチーム全員の気持ちをそう代弁する通り、昨季15シーズンぶりに頂点に立った王者・神戸製鋼としては、一過性ではないコベルコスティーラーズ時代が続くことを印象付けるためにも、昨季のカップ戦で22—24と惜敗したクボタに対するリベンジも果たすかたちでトップリーグカップタイトルを手にしたいところだろう。

しなやかな走りで神戸製鋼のFBに定着している井関 photo by Kenji Demura
しなやかな走りで神戸製鋼のFBに定着している井関
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ニュージーランドに赴くCTB立川はクボタを頂点に導けるか?

対するクボタは、準決勝では東芝との文字通りの激戦を制して、初タイトルへリーチをかけた。
31—24と7点リードで迎えたロスタイム。クボタには2人のシンビン(一時退場者)が出て、13人対15人と2人少ない状況で自陣ゴール前に釘付けとなりながら、強力な東芝のスクラムに耐えて、薄氷を履むかたちでの決勝進出となった。

「まさにファイナルなラグビーと言っていい、ひとつでもミスが起きればやられてしまう厳しい試合を勝ちきれたのはリーダーのおかげ。最後まで気持ちを切らさずにいいラグビーができた。この勢いを決勝につなげたい」

真夏の死闘と言って良かった東芝戦を勝ち切ったことで、フラン・ルディケヘッドコーチはチームの勝ち切る力がワンランク上がったという手応えを感じている。

ルディケHCが絶賛するリーダーたちの中でも、まさに真の大黒柱とも言えるCTB立川理道は、決勝戦が終わった後、約1ヶ月間Mitre10カップと呼ばれるニュージーランド州代表選手権のオタゴでプレーするため、ニュージーランドに赴く予定。
クボタとしては、日本代表再招集の可能性も残すチーム最大の功労者と一緒にベストパフォーマンスを出しきり、初タイトルをものにした上で送り出したいところだろう。

準決勝で共にトライを奪った神戸製鋼・井関信介、クボタ・白井竜馬など、イキのいいランナーたちの調子もいいだけに、フィジカルバトルにとどまらないエキサイティングな攻防の応酬が楽しめそうだ。

東芝の猛攻を凌いで決勝進出を果たしたクボタ。粘りのDFで神戸製鋼に食らいつきたい photo by Kenji Demura
東芝の猛攻を凌いで決勝進出を果たしたクボタ。粘りのDFで神戸製鋼に食らいつきたい
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